「食物繊維」がお通じに重要な役割を果たすことは、今では広く知られて
いますが、消化器内で消化・吸収されないため、かつては「食べ物のカス」
と軽視されていた時代がありました。現在では五大栄養素に次ぐ「第6の
栄養素」とまで呼ばれるようになり注目度は高まっています一方で、「水溶
性(水分に溶ける)食物繊維」と「不溶性(水分に溶けない)食物繊維」とに
区別してその働きが広く知られるまでに至っていないのが現状です。
お通じ改善のために食物繊維を積極的に摂っている、という方もいらっしゃる
でしょう。それは良いことなのですが「かえってお腹にガスが溜まるように
なった」「ぽっこり感が気になる」と感じられる方もいらっしゃいます。
このケースの多くは不溶性食物繊維の摂り過ぎ、または水溶性食物繊維との
アンバランスが原因だと言われています。実は、現代人に不足しがちなのは、
どちらかと言うと「水溶性食物繊維」です。モロヘイヤやオクラ、海藻のネバ
ネバっとした成分などがそれです。
水溶性食物繊維は、①善玉菌のエサになっる②糖や脂質の吸収を抑える③コレ
ステロールを吸着して体外に出す、といった働きがあります。
もちろん不溶性食物繊維にも①善玉菌のエサになる②便の嵩を増す③腸内の
掃除をする、というような役割があり、どちらの働きも重要です。
前回までお話しした「菌のお話」と同様、似ているけど違う働きをする成分
たちの、バランスが大切なのだと思います。