今年は農園メンバーが「奇跡のモロヘイヤ」と呼んでいる株があり、これから採れる種に期待が集まっています。
もともとモロヘイヤは熱帯性の植物なので、日本(温帯)では自生しません。弊社の畑には、前年に栽培したモロヘイヤの種が無数に落ちているはずですが、私が知るこの18年間で一度も、己の力で生えてきた株を見たことがありません。それ以前も10年以上栽培していますが、その当時からのスタッフも覚えがないようです。
モロヘイヤが芽を出す3月から4月という時期に、日本は寒すぎるのです。なので、発芽まではビニールハウスの中で、気温が下がらないように水分を失わないように、最大限に気を配っています。また、芽が出たとしても子葉の段階では非常に脆く、本葉が出るまでは繊細な管理が必要なのです。そんな条件をものともせず、気がついたらポッと生えていたのが「奇跡のモロヘイヤ」なのです。
なぜそれが期待を集めるかと言うと、出雲の風土で育った種が、出雲の地で自生できるモロヘイヤになって行く可能性を秘めているからです。もしもそこまでになったなら、それは出雲で生まれた新種なので「モロヘイヤ」とは呼ばずに「出雲菜」と命名しようと考えています。それを夢見て、自社種の採取を続けて来ました。現段階ではまだ妄想に過ぎませんが、今は妄想が止まりません。