
多くの会社では新規採用や人事異動など、顔ぶれが代わる時期です。中小企業では毎年新入社員が入るとは限らず、入ったとしても1人、2人というケースが多いため、そんな中小零細企業が集まって「合同入社式」を行っています。
今年はその合同入社式での基調講演を承り、新入社員たちへの熱い熱い期待を熱弁して来ました。私にとっては一人息子が今年就職、同じ日に福岡市で入社を迎えていることと重なり、込み上げるものがありました。また、この合同入社式の狙いは、ここから「同期の繋がり」を持ってもらい、同期同志の切磋琢磨や愚痴の聴き合いなどをしてもらいたいというものがあります。
会社で良い教育を受けることはもちろん大切なことですが、新入社員の心に火を点けることは難しいものです。やはり、同期や同年代の仲間、ライバルの存在が必要ではないでしょうか。

弊社の例では、農縁チームの飯塚京美と渡部瑞季が同じ年齢です。同期ではなく、飯塚が2年先輩ですが、この2人の関係がとても良いのです。飯塚には知的障害があり、運転免許は取れたもののオートマ限定で、マニュアルシフトの軽トラックやダンプは運転できませんでした。入社時には「いつかマニュアルの免許も取ります」と言っていましたが、その情熱もだんだん薄れ・・・。
そんな時に、2年遅れで渡部が入社しました。彼女は農林大学校で様々な農機に乗ってきたので、何でも乗りこなせちゃいます。そしてある日、飯塚が言って来たのです。「免許を取りに行きたいです」と。私には飯塚の心に火を点けることはできませんが、渡部は何も言わずに、狙いもせずにそれが出来てしまうのです。そんな良い関係を、新入社員たち皆がが持てると良いな、と願いながら、熱く熱く語ってきました。