
お米の価格高騰が連日話題になっています。米をつくる農家として、このことに全く触れないのもどうかと思い、個人的な想いをお伝えします。
実は、弊社では米づくりを「地域貢献事業」と位置付けています。増えて行く耕作放棄地や休耕田、減って行く耕作人口、この現実が地域の景観や水利、住環境を徐々に悪化させています。これらは稲作を支えて来た方々はもちろん、地域住民全体の課題でもあります。地域からの要請に悩みましたが、少しでも恩返しができればと思い、4年前から稲作に乗り出しました。

ただ、これはモロヘイヤやエゴマを栽培するという「本業」があるから会社として取り組めるもので、稲作(米事業)自体は「赤字ではないけど・・・」という、労力かけてトントンなトホホ状態です。もちろん、米が高く売れれば有難いのですが、それを目的にしてる人はとっくの昔に離農してるのではないかと思うほどに、厳しい状況が続いています。
これが現実ですので、政府が頑張って備蓄米を放出すれば一時的に価格は下がると思いますが、長期的には下がる要因が見当たりません。そうなると、輸入米で良いではないかという意見も出るでしょうし、一定量は輸入米で対応となるのではないでしょうか。農家がどう思おうと政府がどう操作しようと、「高いな」と思われれば売れませんし、売れなければ価格は下がるでしょう。価格が下がればまた離農者も増えますから、供給量が減れば価値が上がる。こんな需要と供給の法則から逃れることは出来ません。
私としてはそこに一喜一憂することなく、地域貢献事業としてではありますが、少しでも良い米をつくれる農家を目指したいと思っています。