松江市宍道 ふるさと森林公園(2021年8月発行)

キャンプがブームと言われ始めたのは、2016年あたりから。2020年には“ソロキャンプ”が流行語となり、とりわけ自然が好きというわけでない人も、キャンプに行きたいと思う時代です。キャンプは子どもの成長や教育にも推奨されており、島根県内には、25ヵ所以上のキャンプ場があります。海辺や湖のほとり、川辺や森の中など、キャンプ場によって特長は様々です。今回は、出雲縁結び空港から車で15分という便利な場所にある、松江市宍道町の『ふるさと森林公園』を訪ね、野津 智之 副公園長にお話を伺いました。


あけみ「最近、書店へ行くと、1人でキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”の本が店の一角を占めていたので、私も“ソロキャンプ”に興味を持つようになりました。以前から家族でキャンプへ行きBBQをしたいという夢があったのですが、息子は高校生になり一緒に出かけてくれませんし、夫は外でのBBQにまったく興味がありません。そこで、私1人でもキャンプをしたいと思うようになりました。1人でのキャンプは淋しいような、恥ずかしいような気がしますが、こちらでは“ソロキャンプ”をされる方がいらっしゃいますか?」

野津さん「もちろん、たくさんいらっしゃいます。“ソロキャンプ”のお客さまは、自分でお洒落にセットしたテントを撮影し、InstagramやYouTubeにアップしたり、焚き火の明かりで本を読んだり、お酒を飲みながら薪をくべたりなど、1人の時間をゆっくり過ごす目的でいらっしゃいます。お1人でもまったく違和感ないと思いますので、ぜひいらっしゃってください」

あけみ「“ソロキャンプ”の本で見たのですが、焚き火やキャンプ飯も楽しそうなので、いろいろな道具を揃え一度挑戦してみたいと思います!かつてはキャンプ=アウトドアで、初心者は簡単にできないイメージでしたが、今は誰でも気軽にできて、お洒落なイメージに変わったように思います。いつ頃からキャンプがお洒落なものになったのですか?」

野津さん「私の感覚では、5年前あたりから海外のキャンプギア※がインターネットで簡単に購入できるようになり、その頃からお洒落になってきたと感じています。以前はキャンプギアといえば、機能性重視のものがほとんどでしたが、今ではスタイリッシュなもの、シンプルでナチュラルなものなど、デザイン性の高いキャンプギアがたくさん選べるようになっています」


あけみ「こちらは今年リニューアルされ、新しく“グランピング”の施設ができたと聞きました。“グランピング”と言うと自然の中にあるテントにソファーや薪ストーブが据えられ、食材も用意されていて、寝るのはベッド。アウトドアなのにラクしてゴージャスに過ごせる、いいとこ取りのイメージがあります。こちらではテントではなく戸建ての建物でグランピングを楽しめるそうですが、テント以外のグランピングはよくあるのですか?」

野津さん「グランピングは優雅に自然を満喫できる話題のアウトドアスタイルで、日本のグランピング施設には高級なテントはもちろんキャビン、ツリーハウス、トレーラー、コテージと様々なスタイルがあります。当公園では、グランピング施設を“グランキャビン”と呼んでおり、ここでは最もグレードの高い施設です。デッキにはグリルやテーブル、ハンモック、ポーチスイングがあり、庭には焚き火スペースもあります。これらのキャンプギアを利用し、お部屋でキャンプ体験ができるようになっています。お食事には島根和牛のBBQができる食材などをご用意できますが、お好きな食べ物を持ち込むこともできます。セミダブルベッドと2段ベッドを1台ずつ備えた寝室が2つあり、ファミリーにちょうどいいと思います」


あけみ「ここは森なので、夏休みには虫とりやバードウォッチングも楽しめそうですね。どんな楽しみ方がおすすめですか?」

野津さん「ここからは宍道湖が見えるので、天気の良い日にはオレンジ色に輝く宍道湖の夕景を見ることができます。ちょうど陽の落ちる方向は見えませんが、空が真っ赤に染まり、ここで長く働いている私でも、すごいなと思う時があります。夜には一面に広がる星空を眺めることもできます。

キャンプといえば夏をイメージするお客さまが多く、既にこの夏は予約でいっぱいなのですが、秋や冬も、木の実を拾ったり、雪遊びをしたりなど、一年を通じて楽しむことができます」

「週末はキャンプ」というように、島根では今、キャンプがとても身近です。“ソロキャンプ”も“グランピング”もどちらも魅力的で、深〜いキャンプの世界に足を踏み入れてみたいと思いました。(あけみ)