健康食品の世界(1)【2023年5月発行】

健康食品には、さまざまな表示・表現の規制があります。

食品表示法や景品表示法のほか、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」という非常に長い名前の法律があり、例えば「病気が治る」「眼が良くなる」といった表現は原則として禁止されています。

一般的に、何か商品を選ぶときには「その商品を使うと自分にどんな良いことがあるか」ということが重要な要素になると思うのですが、健康食品については、いわゆる効果・効能を直接表現してはならないという規制があるため、お客さまに伝わり辛いという難しい現状があります。

もちろん規制には理由があって、例えば平成の初め頃には「ガンが治る」というような健康食品の広告も数多くありました。このため「これさえ飲んでおけばガンが治る」と信じた方が医療機関の受診を怠ったり、治療の機会を逃したりといったことが問題になったのです。

こうした誤解(優良誤認)を防ぐために、病気の治癒や機能回復を表現すること自体を法律で規制しているのです。

健康食品の本来の機能は治療ではなく予防ですから、こういった規制も必要かと思います。

ただ一方で、規制だけが先行するとお客さまにとって良くないこともあります。

つまり、「自分にとって何が良いのかがわからない」という状況になりがちなのです。数多くの情報が流れる現代、忙しい毎日の中であいまいな表現が多くなれば、かえって混乱します。

この課題の解決策として鳴り物入りで導入された制度が「特定保健用食品」制度、通称トクホと呼ばれるものです。ですがこの制度、厚生労働省の思惑どおりには浸透しませんでした。

                                                                      (次号へつづく)。