持続可能な開発目標【2024年8月発行】

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が、ここ数年で一気に浸透してきました。地球のこと世界のことを普段から意識できたら良いのですが、正直言ってかなり難しいことです。

それでも、小さなことや身近なことから、それが17の目標のどれに繋がるのかという意識をしていれば、何か役に立っているというモチベーションにはなります。

例えば有機栽培をしていると、堆肥や肥料を過剰に使わないということが「海の豊かさを守ろう」という目標に繋がります。

農業が地下水や海洋の汚染を招くことは意外と知られていませんが、化学肥料だけでなく有機肥料も使い方によっては海を汚染します。

野菜を栽培するうえで、最重要な成分はチッソです。この成分が足りないと収穫量が激減するので、農家としても不足しないよう最も気をつかう成分です。

アンモニア態窒素や硝酸態窒素は、植物にとっては栄養素ですが、動物にとっては毒だと言っても過言ではないものです。

使いすぎて過剰になると植物が取り入れる量を超え、地下水へ浸透したり、川へ流れ海へ流れたりして汚染して行き、これは環境省も問題視しています。

この問題の難しいところは、それが過剰であるということが、目に見えてわかるというものではないことです。

適量を見定めるためには土壌分析なども必要で、一般農家が超えるハードルとしては高いものがあります。

こういう、手間やコストがかかるし自分の利益にもならないことでも「やるべきだ」という意思を持たせてくれるのが、SDGs(17の目標)の良いところなのかな?と思っています。