改善活動(2S)の成果(2020年4月発行)

製造業の現場には、“3S”と呼ばれる活動があります。整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)の頭文字である“S”をとったもので、さらに清潔・躾が加わった“5S”、整理・整頓だけ抜き出した“2S”などもあります。 外部で開催されている『2S活動』の研修に、弊社スタッフが参加するようになって3年目になりました。

2~3名が半年にわたって受講しながら宿題を持ち帰り、社内の改善活動に取り組みます。[中面左ページもご覧ください] “2S(整理・整頓)”というと、掃除のイメージがありますが、実はそこから始まる“改善活動”こそが、活動の肝です。例えば、仕事場の整理をするには不要なモノを捨てる必要があります。けれど会社のモノですから、いったい何が“不要”なのかは、ルールとして決めなければなりません。

例ば「○ヶ月以上使わないものは不要」など、自分たちでルールを決めて自分たちで守る、といったことが改善活動に繋がっていきます。 令和元年度は、白枝・塩野の2名が研修を受講しました。改善活動をおこなうために2人がいちばん大切にしたのは、「何を言っても大丈夫!」という、精神的な安全性です。これはとても大事なことで、何かを始めようとするときに「失敗したらどうしよう」「みんながどう思うか不安」「変わることは大変」といった感情が働きます。しかし、その感情に支配されると改善活動は成り立ちません。だから2人は、どうしたらその感情をなくせるのかを模索しました。 そして新たな仕組みとして『思いつきシート』を作ったのです。

これまでも弊社には「こうしたい」を書き込んで行く『ひらめきカード』があったのですが、『思いつきシート』はさらに「こう変えました」という“結果”を公表する紙に進化しました。通常の会社で必要な“上司の決裁”が不要ですので、社長である私も「あー、こう変わったのか」と、貼り出されているものを見て知るという、画期的な仕組みです。 

この『思いつきシート』によって、弊社の「何を言っても大丈夫」は「何をやっても大丈夫」へと劇的に進化したのです。 そんなことで大丈夫?社長の判断は要らないの?という声も聞こえますが、大丈夫なのです。特に私が判断したりすると、どうしても私の能力の域を出ませんから、そんな選別は不要に決まっています。

もちろん全ての責任は私が負いますが、今の私には未来への期待しかありません。 令和元年度の『2S活動』の研修に島根県内から20ほどの企業が参加し、その中でいちばん小さな規模の弊社が、最終日の発表で『最優秀改善賞』に選ばれました。この賞は半年間一緒に改善活動をしてきた全受講生の評価で決まるもので、数々の賞賛の声をいただいたことで、自分たちが目指していることは他社でも望まれていることなのだと、自信を持つことができました。 今後もこの活動を続け、弊社をもっともっと自由な、変化する成長できるチームにしたいと、夢を膨らませているところです。