当社では、出雲地方に広がる6.2haの自社有機農園でモロヘイヤ・えごまの栽培を行っています。モロヘイヤの播種から収穫までの流れをご紹介します。
専用の種落機を使用し、播種作業を行います。土にあける穴が深さや、種落とし後の覆土の量などがバラバラだと同じ日に行ったものでも発芽率や発芽時期が異なるので、一つひとつ丁寧に作業を進めていきます。
農業・稲作用語で「苗半作」という言葉がありますが、「苗作りはその後の成長や収穫に大きく影響し、苗づくりがうまくいけば、種まきから収穫まで半分は成功したようなもの」という意味です。その言葉どおり、この期間は、後の収穫量や品質、害虫や病気への強さなど半分を決めると言っても言い過ぎではありません。出雲の気候では4月~9月の約半年間がモロヘイヤの栽培期間となり、そのうちの1ヵ月が育苗期間にあたり、ハウス内で健康な苗に育てます。
保温・保水・雑草対策のために畝に真っ黒なマルチシートを敷きます。トラクターでマルチを張った後、サイドに土を寄せマルチが風でめくれないようにします。畝間の距離が広いと定植可能なモロヘイヤの数が少なくなりますし、距離が短いと草刈り機等の機械が入れなくなるので、適切な距離感でまっすぐマルチを張る技術が求められます。
定植機にモロヘイヤの苗をセットし始動すると、黒マルチの上に同じ間隔で、1苗1苗丁寧に移植を初めます。稀に移植されなかったり、生育の良くない苗があったりするので、そういうところはあとで手作業で植え直します。
梅雨入りすると、一雨くるごとにモロヘイヤだけでなく雑草もよく育ちます。雑草は小さい内に早めに除草しないと、大きくなると収拾がつかなくなります。モロヘイヤに必要な養分の吸収を阻害されたり、日差しを遮ることがないように除草作業を行います。有機栽培は、いかに草(雑草)と上手に付き合っていくか大きなテーマの一つです。
草丈が50センチを超えると「摘心」を行います。「摘心」とは作物がある程度育ったところで高い所の頭部分を切り取ることにより脇芽の成長を促す作業です。モロヘイヤの草丈が50センチになるよう先端の20センチを機械で刈り取り、柔らかい側枝の発生を促すのが、収穫量を増やすポイントです。
収穫時に雑草が入らないように、「収穫前除草」を行います。その後に上部の柔らかい葉のみを「茶摘み機」を使って収穫します。この作業を8月から9月にかけて3~4回繰り返します。収穫後はすぐに乾燥させ保管します。