食わず嫌いは損だなと思ったこと【2022年7月発行】

 山歩きを趣味にしたいなと思っています。きっかけは、昨年12月に会社の「親睦委員会」の主催で行った、初めての登山。そのときは子どもたちの参加が多く、疲れ知らずの彼らに引っ張られてヒィヒィ言いながら登りました。

それはそれで良い思い出になりましたが、2度目の企画では、優しい20代4人がペースを合わせてくれて、比較的楽に登ることができました。どちらも会社から車で20分ほどの近い山で、前回が400m、今回が300m級の山ですので「登山」と言うよりハイキング?かも知れません。

もともと私は「登山する人の気持ちは一生わからない」と公言しており、委員会から登山の企画が出たときには、(内緒ですが)全く乗り気ではありませんでした。

しかし!何でもやってみるものですね。自然の他には何もない山にも、私が知らなかった感動がありました。農園スタッフの太田は山野草に詳しく、その名前や珍しい草花を教えてくれます。そして山頂での昼食は、飯ごうで炊いたごはんと冷凍野菜の炒め物、そしてカップラーメンとコーヒーという、自宅で食べたら「粗末な食」です。なのにこれが美味しい。場所や環境がいつもと違うだけで、こんなにも違うものかと驚きます。

下山して翌日に向かったのはアウトドア用品店。山頂でコーヒーとカップラーメンをつくるためのコンロと湯沸かしのセットを購入。これまでも新緑の季節に山をドライブすることはありましたが、ちょっと車を停めて散策するという趣味を加えると、それだけで世界が広がったような気がします。名もない川の水辺で飲むコーヒーは特別な豆でもないのですが、格別の味がします。

こうして休日にちょっとした非日常が加わるだけで、また仕事も楽しめるようになる。乗り気じゃなかったことが、こんなにも日常を楽しくしてくれるのかと、連れ出してくれた仲間に感謝しています。