濃厚接触待機事件【2022年8月発行】

実は6月下旬に新型コロナウィルス「濃厚接触者(検査陰性)」の指定を受け、1週間、自宅待機となりました。その直前に約2年ぶりの大きな会議があり、そこで同じグループだった東京からのお客さまが、帰京後2日目に「発症」されたのです。会議の翌日にはまだその事実を知らず、私は普通に出勤して1日を社内で過ごしました。

濃厚接触者は、検査が陰性であっても(自治体や保健所によって違いますが)出雲では1週間の自宅待機になります。もしも私に「陽性」の検査結果が出れば、社員全員が「濃厚接触者」となり、全員が1週間の自宅待機になってしまうだろうという、言いようもない恐怖に捉われました。自分の身体の心配をしてる場合じゃありません。1週間はご注文を受けられず、発送をすることも出来なくなります。さらに、そのことをお客さまにお伝えすることも出来ないという状況に陥ってしまうかも知れません。なんてリスク管理が出来ていなかったのだろうという後悔の念が湧きおこりました。

都市部では一般的になっている「テレワーク」も、田舎ではほとんど浸透していませんし、個人情報を扱い、さらに発送するという業務を伴う通信販売では、なかなか自宅でのワークが考えにくいという背景もありました。けれどそんな中でも、お客さまと連絡すら取れないという状況にはならないよう対処しておくべきだったという後悔で頭がいっぱいです。今回は私が原因となるケースでしたが、社員ひとりひとりが同じ状況になる可能性はあります。自分が原因でそうなったとき、もしかしたら社長である私より辛いかも知れません。 幸い検査結果は陰性でしたし、身体には何の異常も現れなかったので今回は事なきを得ました。けれど「田舎だから」「きっと大丈夫」という楽観的な考えでいては、多くの人を巻き込んで多大な迷惑をかけてしまうかも知れないという現実に直面して、深い学びを得た事件でした。