猛暑の夏に冬を思い出す【2022年9月発行】


モロヘイヤの収穫期に入りました。この2年は豪雨、干ばつ、台風などに悩んで来ましたが、今年の出雲地方は天候に恵まれており、現時点では過去最高の収穫量が期待できる状況です。
また、今年は土の出来が良く、触ると粒状にコロコロっとしていて、畑を歩くと絨毯のようにフカフカっという感覚です。土の良し悪しは堆肥の入れ方だけでなく天候にも左右されますが、大きく関係するのは「冬の降雪量」です。
2021~2022年の冬は出雲でも降雪量が多く、一面の銀世界という期間が長くありました。以前はあたりまえだった光景も、温暖化の影響なのかこういうことは数年に一回しか起こらなくなってしまいました。
普通に暮らしていれば雪が少ないのはむしろ有難いことですが、農業ではそうでもありません。雪の下では、土の中の新陳代謝が進みます。土中には無数の菌と、多くの昆虫や生物が棲んでいて、それらが冬の寒さや雪の中で世代交代したり発酵して増えたりすることで健全に「土が育つ」のです。
雪深い地域のお米が美味しいと言われるのは、おそらくこれが一番大きな要因ではないでしょうか。
 
暑さの中、寒かった冬に想いを馳せながら作業をしてみましたが、涼しさを感じるほどには甘くない、39度の猛暑日でした。