「家事」について1ヶ月間話し合ってみました。
弊社は、朝礼で「月のテーマ」を設定して、毎日話をしています。その日の担当者がテーマに沿って2分間、その話を受けて全員が30秒間スピーチをするという決まりで、先月のテーマは「家事」でした。
弊社は女性社員が多く、家事のネタにはこと欠かないながら、話の大半は「家族の協力」。ズバリ言うと不満を吐露して皆で共感し合うという、最近では稀に見る盛り上がりを見せた1ヶ月間でした。
私自身、それなりに協力しているつもりでいながらも、社員たちの話を聞きながら”針のムシロ”のような1ヶ月間でもありました。テーマを決めたときに想像していたことではありますが。そんな中で一番衝撃を受けたのが「名もなき家事」という話です。炊事、洗濯、掃除といった「名のある家事」ではなく、例えばトイレットペーパーやタオルの交換、または衣服をたたんでしまうこと、あるいはシャンプーや洗剤の補充・詰め替え、さらには献立を考えることといった、特に名前がついていない隠れた家事のことをこう呼ぶそうです。私のような、家事を”手伝う”感覚の者にとっては思いもよらない指摘です。風呂とトイレの掃除をしています、休日には夕食を作っています、といった名のある家事の一部を「手伝って」いる感覚の私は、この話を聞かなければ、下手すると一生意識することなく過ごした事柄かも知れません。
もしも家庭の暮らし全般を、自分ごととして主体的に考えていれば当然に気付いていたはずのこと。私は割当てられた担当業務だけをこなして満足している「お手伝い感覚」なんだと思い知らされました。
考えてみれば仕事も同じです。役割を分担するのも大切ですが、分担する業務の間には必ず隙間があるものです。「それは私の担当ではない」という感覚では仕事が上手く回りません。「受け身ではダメ!主体性を持って行こう」などと会社で偉そうに言っている私は、全くそんなことを言う資格のない人間だという事実に愕然とし、まずはこの「お手伝い感覚」を消し去っていかねばならないと、強烈に気付かされた経験でした。
因みに今月のテーマは、SDGsです。