今年の春に作付した米、モロヘイヤ、エゴマの収穫がすべて無事に終わりました。振り返ると、今年ほど1年を長く感じたことはなく、本当に長い月日だったように思います。
弊社の農園が今年、天候などで苦戦していることは、これまでのオーガニックライフに愚痴のように書いていましたが、お客さまにご心配をおかけすると思い、本音は隠していました。
実は、「このままではモロヘイヤが足りない。定期購入していただいているお客さまの分でさえ来年の収穫を迎えるまでに在庫が尽きてしまう」と思うほど、収穫が見込めない状況だったのです。心配で仕方がない状況が続いて、昼は作業し夜は夢にうなされる日々で、7キロ痩せました。長い夏でした。長雨で植え付けが遅れ、植え付けが遅れるとすべてが遅くなり、モロヘイヤは毎年4回収穫しますが、最初の収穫に入る時にはまだ、モロヘイヤが十分に育っていませんでした。3回目の収穫を終えた時点で今年の目標の27%ほどの量しか収穫できておらず、その時はお客さまに「お届けできません」と、お詫びをする覚悟をしました。しかし、4回目の収穫時期である10月に入ると20℃を超える温かい日が続いたことでモロヘイヤが育ち、奇跡的な量の収穫ができたことで、最終の7割にまで達し、覚悟していた悪夢の避けることができました。弊社の農園メンバーには無理なことばかりを言いましたが、本当によくついてきてくれたと思います。そうは言っても手放しで喜んでいられなくて、7割の量では新規のお客さまの獲得や販路拡大は控えざるえませんし、何よりも、モロヘイヤを原料として扱っている卸の事業者さんに納めることはできなくなりました。
弊社は通信販売でお客さまに直接健康食品を販売する以外に、少しですが原料卸の会社への販売もおこなっています。その際、農業は事前が相手ですので「かならず〇トン納める」というお約束はせず、「余分があればお売りする」というスタンスをとっています。なので今年は目標量に遠く及ばなかったことを卸の事業者さんにお断りをしたことで、ほっと胸を撫で下ろしました。ところが後日、たくさんの会社から「モロヘイヤを譲って欲しい」というお電話がかかってきたのです。中にはとても有名な会社、本当に困っている旨を話される方もいらっしゃいましたが、収穫量が少ないためどうすることもできないことをお伝えしました。これまで卸の事業者さんに販売したモロヘイヤがどこの何の製品になっているかまでは知りませんでした。しかし、お電話によって、卸の事業者さんの先にどこの会社の製品があり、その製品を定期購入していらっしゃるユーザーがいらっしゃることを初めて実感したのです。弊社のお客さまには「モロヘイヤが切れると不安になる」とまで言ってくださる方がたくさんいらっしゃるのですが、他社ユーザーにも同じようにモロヘイヤがなくては困る方がおられるのだろうと実感し、自分が思っていたよりも遥かに重い責任を背負っていたことに気づきました。今年の収穫を終え、「異常気象」は私の頭の中から捨てました。あの気候が毎年来るものと思い、いかなる天候であろうともリスクを想定し、分散し、備え、絶対に作物を作り続けるぞ!という決意をあらわにしました。