昨年は、弊社も新型コロナウィルスに右往左往した1年でした。しかし、コロナ禍という“禍い”の中に、良いこともありました。その代表的なものとして、職場環境の改善が進んだことが挙げられます。
弊社のスタッフはこれまでも、衛生上の取り決めやルール、それらを遵守する意識をしっかり持ってくれていたと思います。しかしコロナ禍の中で、これまでより遥かに高い意識で衛生環境の改善に取り組むようになったと感じています。
例えば手洗いは、手指を石鹸で洗うだけでなく、こまめにアルコールで消毒することが習慣化しました。清掃は、汚れを防ぐために机や作業台、器具を清掃し拭き上げるだけでなく、目に見えない雑菌やウィルスまで意識しながら清掃をおこなうようになりました。
これらのことは、これまでも食品加工の現場では実施できていましたが、受注や事務のスタッフに至るまで、全員の意識が飛躍的に向上したのではないかと思います。
また、弊社は農業から製造・販売・アフターフォローまでを小さな1つの会社でおこなっています。
栽培を自社でおこなっていることは製品の機能性を高めることに繋がり、お客様のご期待に沿える体制だと自負していますし、健康食品の材料を有機栽培していることで、お客様に信頼され、安心していただいているとも感じています。
しかし実は、製造・販売をしながら有機栽培も自社でおこなっているということは、食品製造現場の近くに、有機の“肥料”を扱う現場があるということでもあります。
そのため弊社農園では、清掃道具、洗浄器具なども、作業ごとに使い方が決まっており、どんなに忙しい時でも必ずそれを実施しなければならないルールがありますし、社内は清潔度ごとに立ち入り条件が違うエリア分けがあります。
そのルールを変えたわけではないのですが、農園スタッフの意識が変わったように感じるのです。これまでは「ルールがあるから、守る」という意識だったのが、コロナ禍以降は1人1人が「自分たちのミッションとしてルールを守るべき」という意識に変わってきているなと。
スタッフみんなの意識の高まりが出てきたが故に、これが必要、あれが必要という意見も出てきて、農園の改善提案はおびただしい数になっています。最近は農園の作業場に手洗い場を2つ増設するなど、出費は嵩むのですが(笑)、得難いものを得たな!と感じています。
良くないことの多いコロナ禍ですが、その中にも良いことはあるものだと、感心しているところです。
※有機栽培は化学肥料や農薬を使用せず、有機質のものだけで 農作物を育てる栽培法。
有機栽培の土壌にはたくさんの細菌などの微生物が存在し、 それらが有機物を分解、発酵して土壌を作っている。有機栽培には、鶏糞・牛糞などの有機物を利用する。
~農業を中心に健康を追求し、お客さまに感動を提供する~
健幸ファーム いづも農縁 代表百姓 吉岡 佳紀