弊社は昨年から水稲(米作り)に取り組んでいます。水稲に取り組み始めた理由は(何度か書いていますが)、ある水稲の篤農家さんから「いづも農縁に、米作りの後継者になって欲しい」という申し出をいただいたからです。稲作経営が厳しいことは解ってますし、お引き受けするかどうか随分迷いましたが、お世話になったこの地域に、少しでも恩返しができればと、これから3年かけて十町歩(東京ドーム約2個分)ほどの田んぼを引き受ける計画にしています。
昨年は水稲のことをまったく知らなかったので、師匠(篤農家:研究心に富んだ農業家)の作業を見学したり手伝ったりしながら、一年を通して稲づくりを学びました。そして今年からは、弊社スタッフだけで田植えの準備をスタートしました。(田植えは5月16日から) 水稲は多くの人が栽培するメジャーな作物というだけあって、さすが機械化が進んでいるなーと感じました。機械化が進んでいないモロヘイヤやエゴマの栽培で十数日かけて行なう作業は、水稲では一気にできてしまうことに驚きました。と言っても、使っているのは師匠が愛用していた20年ものの一昔前の機械なので(笑)、技術が進んだというより、我々がまったくの門外漢だったということです。
田植えをするためには、田んぼの準備と苗の準備が必要です。4月中旬にはビニールハウスで、農園スタッフ総動員で育苗パレットの準備をしました。機械にパレットをセットすると、土入れ、潅水、播種、覆土を自動で行ないます。
すごい勢いで、次々にどんどん育苗パレットができ上がっていき、人間の作業はひたすら資材を補充することと、でき上がったものを運び並べることです。けれど、その単純な作業の中にも、初めての作業だからこそ芽生える疑問、見えてくる改善点があったのです。
例えば、機械から出てきた育苗パレットをハウス内の育苗スペースへ運ぶ作業がありますが、師匠からは1度に10枚ずつ運ぶと教わりました。ここで、Think & Try!10枚だと、運ぶ回数は少ないけれど、待ち時間も多い。なので運ぶたびにパレットを1枚ずつ減らし、全体の流れにどんな変化があるのかを試してみたところ、1度に4枚運ぶのが最も待ち時間が少なく、すべての流れが効率的になることがわかりました。
永年この作業をしている師匠が気付かないことを改善できたわけですが、翻って、弊社がずっと栽培しているモロヘイヤとエゴマの作業を見つめ直してみると、この作業はこんなものだと自分たちが思っていることが数多くあるのではないかな?と、改めて感じます。初心忘るべからず。そしてThink & Try!をあらゆる場面で続けていこうと思った次第です。★Think(考える) & Try(やってみる)、は、弊社の2020年度の方針です。